The Air Combat Tutorial Libraryの動画を勝手に引用、紹介しながら飛行機と操縦の基礎を学ぶ独習シリーズ。
Principlesの11本めでは、軍用機のスタンダードな着陸方法であるイニシャル&ピッチについて学びます。
この用語は初めて知りましたが、内容についてはだいたいおなじみのものでした。とはいえ、かなり忘れていたのでリハビリにはぴったりでした。
この記事の目次
軍用機の基本的な着陸方法
Initial & Pitchは、軍用機の標準的な着陸手順。
このアプローチ方法は、サーキット内を低空・低速で飛行する時間を短縮することでリスクを軽減し、敵がいる状況下で効果的に戦闘を継続することができる。
イニシャル&ピッチの手順
- サーキットのトラフィックを確認する
- 約1000フィート(300m)でランウェイ上空を通過
- ブレイクポイントでパワーをアイドルへ絞る
- 180°ブレイクターンを開始
- フラップとギアを下ろす
- ベース~ファイナルレグを円を描いて飛ぶ
ノーマルなイニシャル&ピッチをデモフライトで学ぶ
イニシャルアプローチ。ランウェイに向かって2000フィートから進入している。
ランウェイが機首の下に隠れて見えなくなったら、左側をチェックしてブレイクの目標になるポイントを確認する。
方位310でイニシャル&ピッチを開始。
ブレイクしたらスロットルをアイドルへ。
高度を維持しながらランウェイの位置を確認。
方位130°でロールアウト。すでに安全な対気速度まで落ちているので着陸脚を下ろす。
機外視点の動画はここで終了
イニシャル&ピッチのまとめ
イニシャルはランウェイに向かって進入すること。
ピッチはブレイクターン。
ダウンウィンドレグにいる航空機の後ろでブレイクに入るのがより安全。
ランウェイとの間隔を確保するためにブレイクを調整する。
ダウンウィンドレグに入ったら、その後はふたつの選択肢がある。
ひとつはノーマルサーキットに合わせてパワーを調整する。
もうひとつはローパワーを維持して、サーキットを調整しより小さいサーキットで着陸する。
さらに実戦的なファンピッチ
続いてイニシャル&ピッチのバリエーションとして、ファンピッチ(Fanned Pitch)を紹介。
デモフライト動画でファンピッチを学ぶ
イニシャルを500フィートで進入し、ブレイクターンで1000フィートまで上昇してから降下~着陸する。
ランウェイに達したらブレイクしてスロットルをカット。
1000フィートまで上昇。減速しているので着陸脚とフラップを下ろす。
ファンピッチのまとめ
- イニシャルは1000フィート以下
- ブレイクして希望の高度まで上昇
- ブレイクはノーマルなイニシャル&ピッチよりも早め
- 対気速度もノーマルなイニシャル&ピッチより速め
敵の脅威に即応できる実戦的な着陸法
イニシャル&ピッチのまとめです。
- 敵の脅威がある地域での着陸方法
- 低速・低高度の危険な時間帯をなるべく短くする
- ノーマルな方法と、よりコンパクトな"ファンピッチ"のふたつの方法がある
- 他の航空機に注意して安全に行うこと
説明中たびたびサーキットとでてくるのは、通常のトラフィックパターンのように矩形ではなく、クロスウィンドレグとベースレグを丸く円弧を描いて飛ぶからでしょうか?
ノーマルなイニシャル&ピッチはどうやら360°オーバーヘッドアプローチに似ていますが、この動画ではランウェイを通り過ぎたあたりでブレイクに入ってクロスウィンドを丸く飛んだあと、きっちりダウンウィンドを飛んでいるようです。
ふつう"360°オーバーヘッドアプローチ**の説明だと、ランウェイの手前の端に来たところでパワーをアイドルに絞って、360°旋回しながら着陸すると説明されているようなので、微妙な違いがあります。
すでにダウンウィンドレグに入っている航空機があればその後方でブレイクに入るように薦めているところから、360°オーバーヘッドアプローチは他に航空機がいない場合の基本パターンで、イニシャル&ピッチはより実用的なバリエーションとも考えられます。
いっぽう"ファンピッチの方は一般的にコンバットピッチ**と呼ばれる着陸法のようですが、やはりダウンウィンドを少し長めかつ直線的に飛んでいます。
高速&低空で進入し、ブレイクとともに上昇することで一気に減速してから着陸態勢に入るので、着陸直前の危険な時間帯をできるだけ短くすることができます。