YouTubeチャンネルThe Air Combat Tutorial Libraryの動画から飛行の基礎を学ぶシリーズ。
Principleの8本めは、着陸時に起きやすいミスの原因と修正方法を紹介しています。
今回の動画も知らなかったことが多くて勉強になりました。聴き取れない部分は自動作成される字幕を参考に自己流で解釈を加えているので、間違いも多々あるかと思いますが、そこも含めて動画を見るときの参考にしてください。
この記事の目次
着陸でのありがちなエラー
まず、着陸時に失敗しがちなポイントを次の4つの段階に分けて紹介。
1.ファイナルアプローチでのミス
- 高度と対気速度のコントロール
2.ラウンドアウトとフレアでのミス
- 高度の見誤り
- フローティング
- バルーニング
3.タッチダウンでのミス
- バウンス/ハードランディング
- 横風に対する補正不足
4.ランディングロール後のミス
- グラウンドルーピング
着陸時の失敗に対する対処法
もっとも簡単な方法はゴーアラウンド、つまり着陸のやり直し。
- スロットルをスムーズに最大離陸パワーへ
- ピッチを上昇姿勢に
- 上昇率がポジティブになるように、ギアをアップ
- フラップを段階的にあげる
- 管制官に申告してからトラフィックパターンに再進入
方法は機体によって異なるかもしれない。Pilot's Operating Handbookをチェックのこと。
ゴーアラウンドのデモフライト
続いてデモフライトでゴーアラウンドの手順を解説。
ランウェイの見え方
ランウェイの見え方に応じてポイント&パワーテクニックで修正する。
アプローチが低いとき
アプローチが低いときランウェイは短く見える。
- 機首を上げ、パワーを増す
アプローチが適切のとき
ランウェイの見え方は中間的。何もする必要はない。
アプローチが高すぎるとき
ランウェイは細長く見える。
- 機首を下げてパワーを落とす
- フラップをさらに下げる
- フォワードスリップを使う
ラウンドアウト
ラウンドアウトでの注意点
ラウンドアウトを行う高度を見誤る理由は、一点を集中して見るから。
- 近くを見ると景色がブレてしまい、高い位置でラウンドアウトしがち
- 遠くを見ると高度の感覚が失われて、低い位置でラウンドアウトしがち
ラウンドアウトの修正方法
- 10~15°の角度を目視で確認する
- エイミングポイントの直前でラウンドアウト
- ランウェイが見えなくなったら、周囲の角度と地平線の高さから降下率と高度を測る
ラウンドアウトをデモフライトで確認
続いてデモフライトで実際に注意すべきエリアを解説。
アプローチ中に注目するポイント
設置直前から機首前方が見えなくなるので、左右の滑走路の見え方や地平線の位置で高度を判断する。
地上姿勢での視界イコール着陸姿勢となるのでしっかり覚えておく。
ラウンドアウトが低いときの見え方
ランウェイの遠方を見ていると、ラウンドアウトが低くなりやすい。
ラウンドアウトが高いときの見え方
高度の予測が悪いと、高い位置でラウンドアウトしてしまう。
高いラウンドアウトからの修正
- 軽くバックプレッシャーを掛ける
- 降下させる
- 着陸姿勢のままパワーを少し加える
まずは機首を下げてふつうにアプローチ開始。
スレッショルドを過ぎてラウンドアウトを掛けて機体を水平にするが、高度が高すぎる。
フレアを掛けて着陸姿勢にしつつ少しパワーを加えることでじわりと降下させる。
フローティングの修正
オーバースピードで進入した場合は、スロットルをアイドルにしてふつうどおりラウンドアウトに入るが、対気速度が速いことやグラウンドエフェクトの影響もあってすぐには速度を落とすことができないので結果的に着陸距離が伸びてしまう。
そこでラウンドアウトの姿勢を長めに維持して、スピードが落ちてからフレアを掛けて三点姿勢で接地する。
ラウンドアウトを維持しながら少し長めに飛行したあと、フレアを掛けてスピードを落とし、滑走路の奥で接地する。
バルーニング
対気速度が速すぎる状態からラウンドアウトしてさらにフレアを掛けると、バルーニングを起こす原因となる。
速度が速い上にフラップダウンで揚力が増していることや、さらにフレアを掛けて迎角が大きくなったことで機体がいったん上昇する。
しかし、エンジンパワーを加えていないまま迎角が大きくなるので、結局速度が落ちて墜落してしまう。
バルーニングの修正
地面の見え方に注意。地平線が下がったら機体が上昇している。
操縦桿に軽くバックプレッシャーを掛けたまま、その後の沈み込みに備えて少しパワーを加え、降下率を下げる。やがて対気速度が下がっておだやかに接地する。
バウンシングの修正
スピードが速すぎて接地後機体がバウンスした場合は、機体が上昇しすぎないように3点姿勢をすばやく回復し、次の落下に備えて少しパワーを加えて降下率を下げる。
グラウンドループ
接地後、ラダーの補正をしすぎてコントロールできなくなるとグラウンドループに陥る。
デモ動画では、滑走路の左寄りに接地してしまったため中央に寄ろうと右のラダーを使った結果、機体が左へ横転してしまう。
グラウンドループの修正
- 過剰な修正をしない
- ループの内側へエルロンを切る
- オポジットラダーで回転を抑える
なによりもアプローチがだいじ
以上、着陸時に起こりやすいミスとその対処方法について動画の内容を要約してみました。
7分ほどの動画ですが、じっくり見るには時間がかかります。だんだん難しくなってきたので、自己流解釈では間違いも出てきそうです。もし気づいたところがあればご指摘いただけると、今後の改善に役立てさせていただきます。
この動画ではミスを修正するためのテクニックがまとめられていますが、なによりまず滑走路の見え方を叩き込んで、ポイント&パワーテクニックでアプローチを調整していくのがだいじなようです。
バルーニングということばはいちおう知っていましたが、どういう状態なのかは誤解していましたし、フローティングについてはしりませんでした。
なお、ランウェイの見え方のところでアプローチが高すぎるときの対処法としてフォワードスリップが出てきますが、実際にはこの動画内では紹介されていません。
おそらく今後別の動画で解説されるものと思います。