YouTubeチャンネルThe Air Combat Tutorial Libraryの動画を借りてきて、飛行の基礎を学びながら勝手に解釈していくシリーズです。
Principlesの7本めは、有視界飛行(VFR)でのファイナルアプローチ~着陸についての解説です。
アプローチでの目標の決め方などは知らなかったので、とても勉強になりました。
この記事の目次
ファイナルアプローチに必要なポイント
よいアプローチのためには、次の4つを理解して正確に飛行することが求められる。
- ピッチとパワーの関係
- エイミングポイント(着陸目標点)とタッチダウンポイント
- ラウンドアウトとフレア
- タッチダウンとランディングロール

ファイナルアプローチで理解すべき4項目
ピッチとパワーの関係
-ピッチを調整して、エイミングポイントに向かい飛行する
- パワーでアプローチの速度を調整する。
ピッチとパワーは連携しているので、どちらか一方を調整したらもう一方も調整しなければならない。

ピッチとパワーは連携して調整する。
これをポイント&パワーテクニックといい、このテクニックを使うことで滑走路へ向かって一定のグライドパスで降下できる。別名スタビライズド・アプローチともいう。
エイミングポイントとタッチダウンポイント
エイミングポイントは目標地点。もしラウンドアウトをしない場合、その地点に衝突することになる場所。
ラウンドアウトとフレアを行うことで、最終的な対気速度と降下率を下げてソフトな着陸を可能にする。ラウンドアウトとフレアには、アプローチの速度に応じてある程度の距離が必要になる。
対気速度または降下率が高すぎるとタッチダウンポイントで接地したときに、機体がバウンスする。

目標にする地点と実際に接地する地点を理解する。
アプローチ~タッチダウンの3つの段階
降下から設置までの3段階の機体姿勢を、外部視点で比較。

左から降下、ラウンドアウト、フレアの姿勢。
降下
ポイント&パワーテクニックで降下している状態。エイミングポイントへ向けて機首が下がっている。
ラウンドアウト
降下状態から機首をわずかに引き起こして水平にする。対気速度と降下率を下げる。
フレア
機首をわずかに上げてさらに対気速度と降下率を落とし、タッチダウンまでのあいだ姿勢を維持する。
デモフライトでの解説
エイミングポイントを狙う
ポイント&パワーテクニックを使って、ランウェイナンバーを目標に降下する。
ピッチコントロールでエイミングポイントを狙い、パワーで対気速度をコントロール。
うまく調整できるとコックピットからエイミングポイントが安定して見える。

エイミングポイントへ向かって降下中。

降下中の外部視点。
最初のデモではエイミングポイントだけを狙って降下。そのため、速度、降下率とも高すぎて、接地したあと機体がバウンスする。

速度、降下率が早すぎると接地後バウンスして浮き上がる。
ポイント&パワーテクニックを使った調整の例
2回めのデモでは、修正方法を解説するためわざとエイミングポイントをずらしている。
最初エイミングポイントは滑走路上ではなく、もっと手前にある状態。

エイミングポイントを滑走路より手前においている。
修正が必要なので機首を上げて、エイミングポイントが滑走路上に来るように。

機首を上げてエイミングポイントを調整。
ただし、機首を上げたことで対気速度は下がるので、パワーを足す。
調整の結果、こんどは滑走路の反対側がエイミングポイントになったので、逆に機首を下げてさらにエイミングポイントを修正する。
エイミングポイントが手間の滑走路番号になるようにピッチを調整したら、さらにパワーのほうも調整。

ランウェイナンバーをエイミングポイントにする。
スタビライズド アプローチの例
修正方法の説明を踏まえて、デモフライトの最後では途中の調整を行わない安定したアプローチの例を紹介しています。
ウインドスクリーンの同じ位置にエイミングポイントを固定するように微修正を加えつつ降下していく。
ピッチ、パワーの制御とも最小限に。

安定した降下の例。
わずかな変化に注意してすぐに修正していかないと、滑走路がもっと近くなったとこで急激な修正が必要。
地面に接触する前にラウンドアウトをかけて機体を水平にしたあと、フレアをかけて上昇しない程度に機首上げ。

安定した降下のためには、早めに細かく修正する。
正しい姿勢と速度、降下率でタッチダウンポイントに接地すればバウンスしない。

バウンスせずきれいに接地。
タッチダウン後
タッチダウンしたら、滑走路のセンターラインを維持するようにラダーで方向をコントロール。操縦桿にバックプレッシャーをかけつつ、ブレーキを掛ける。
一気にフルブレーキをかけず、徐々にブレーキを強めていく。