の動画を勝手に引用、紹介しながら飛行機と操縦の基礎を学ぶ独習シリーズ。
CEM(Complex Engine Management)第4回は吸気圧(マニホールドプレッシャー)と過給(スーパーチャージング)の効果について。
この記事の目次
マニホールドプレッシャー(MP=吸気圧)
マニホールドプレッシャーはエンジンのインテークマニホールド内の圧力で、計器板のゲージで測定する。
MPゲージは、エンジンの燃焼に必要な空気を吸い込むための圧力を測定する。
吸気圧に関する3つのファクター
1.大気圧
大気圧はエンジンが利用可能な空気の量を決定する。
2.スロットル開度
スロットル開度は吸気圧に比例する(フルスロットル時=吸気圧最大)
3.エンジン回転数
エンジン回転数は吸気圧に反比例する。ただし過給器付きエンジンは除く。
過給機付きエンジンでの吸気圧
自然吸気エンジンの場合、吸気圧は大気圧の値を超えることはない。
しかし過給機付きエンジンでは、吸気圧を大気圧以上に高めることができる。これは同じ体積の中により多くの空気を押し込むことができるため。
これにより、空気が薄い(大気圧が低い)高空では特に、エンジン出力を高める。
吸気圧計の見かた
デモ動画を元に吸気圧計の読み方を解説。
エンジン停止時
エンジン停止 地表(海抜150m)のとき吸気圧は746mm Hg(大気圧と同じ)。
同じくエンジン停止でも、上空5300m(海抜5450m)では吸気圧は365 mm Hgに下がる(大気圧と同じ)。
どちらも大気圧と同じだが、高度が違うため大気圧が異なる。上空のほうが吸気圧は低くなるため、エンジン出力は低下する。
エンジン始動スロットル=アイドル時
エンジンを始動してスロットルをアイドルにすると、吸気圧は急激に下がりほぼゼロになる。
吸気圧計はインテークマニホールドに高い負圧がかかっていることを示す。
これはピストンが吸気しようとしているのに対して、スロットルが開いていないので吸入が妨げられているから。
この吸い込もうとする力がマニホールドプレッシャー。
喩えていうと、掃除機のホースに手を当てているときの吸い込まれる感じがマニホールドプレッシャー。
エンジンはスロットルがアイドルに絞られていることで、空気の吸入を妨げられている。
飛行中
飛行中でもスロットルがアイドルだと吸気圧は低いまま。
スロットルをアイドルから開いていくとより多くの空気がエンジンに送られる。吸気圧計のゲージは低い状態から大気圧と同じところまで上昇していく。
自然吸気エンジンの場合、吸気圧の上昇はスロットル最大のところで上限となる。このときの吸気圧は海面高度での大気圧と同じ。
しかし過給エンジンでは空気を圧縮して押し込むことができる。
圧縮された空気は容積が小さくなり、それによってエンジンはより多くの空気を吸い込める。
さらにミクスチャーを高くしてより多くの燃料を送ることで、より大きなパワーを出せる。
エンジン回転数と吸気圧の関係
吸気量は、ピストンがどれだけ速く動いているかに左右される。この速度がRPM。
エンジン回転数が高くなれば、吸気量は増大する一方で吸気圧は低下する。
過給機付きエンジンは空気を圧縮することでこの問題を補うことができる。
エンジン回転数がある程度高くなると結局吸気を補えなくなり、最終的には吸気圧が低下する。
エンジン回転数を下げると吸気は減り、吸気圧は上昇する。
吸気圧と過給 まとめ
今回はちょっと聴き取りが心許なく、特に最後の過給のところは勘違いしている可能性があるのでその点はご自分で補ってください。
とにかくスロットル開度によって吸気圧が変化するということろだけはわかりました。
ところで、固定ピッチプロペラ、可変ピッチプロペラと続いて、次は定速プロペラの解説が来るかと思いきや、今回は吸気圧の説明になっています。これは次回定速プロペラの理解に吸気圧の知識が必要だからのようです。
次回の動画を見るとわかります。