操縦

可変ピッチプロペラの働きと操作を学ぶ

The Air Combat Tutorial Libraryの動画を勝手に引用、紹介しながら飛行機と操縦の基礎を学ぶ独習シリーズ。

CEM(Complex Engine Management)第3回は可変ピッチプロペラの特徴と実際の操作についての解説です。

 

可変ピッチプロペラ

飛行中に手動操作でプロペラピッチを変えられるタイプ。

ピッチは車のギアボックスのように数段階を切り替えるものと自由に変更できるものがあり、どちらのタイプかは機体によって異なる。

可変ピッチプロペラの概要

可変ピッチプロペラは飛行中にピッチを変更できる。

ピッチはファインコースの間で変更する。

ピッチの働き

ピッチの役割そのものは固定ピッチと同じ

動作は固定ピッチプロペラ同様で、ピッチとスロットル開度によってエンジンの回転数を制御することで、対気速度の変化に応じてエンジンの回転をパワーバンド内に保つ。

 

ピッチの変化を動画で確認

メッサーシュミットBf109を例に、プロペラピッチがどのように変化するかを確認する。

最初はピッチがコース(最大)の状態。ピッチを表すダイヤルは8時30分の位置にある。

可変ピッチプロペラの最大ピッチ

Bf109の最大ピッチ

ピッチを下げていくとブレードアングルが小さくなり、ピッチがファインになっていく。

ピッチが下がることでブレードが「空気を掻く」量が少なくなり、エンジン回転数は増加する。

ピッチには下限(ピッチストップ)と上限(コースストップ)がある。

プロペラピッチ最小

最大ピッチと最小ピッチ

 

ピッチを大きくするとブレードアングルが大きく「空気を掻く」量も大きくなるため、エンジン回転数は低くなる。

Bf109のような機体ではプロペラピッチは無段階に調整できるが、段階的にしか変更できない機体もある。

無段階制御と段階式

ピッチは無段階に変えられるものとそうでないものがある

ピッチを段階的にしか変更できない機体では、ピッチを表すダイヤルは時計の針の9時~12時で表される。

 

デモフライトで実際の操作を学ぶ

固定ピッチプロペラの原理をBf109を使って解説。

ピッチコントロールはオートマチック。

プロペラピッチを自動にセット

ピッチを自動制御に設定

 

上昇

エンジン回転数を2500~2600rpmに保ってマニューバーに入る。

上昇による速度の低下

上昇することで対気速度が低下する

操縦桿を引いてピッチアップすると対気速度が下がって、エンジン回転数も低下する。

回転数を維持するためピッチを調整

ピッチを小さくして回転数を保つ

プロペラピッチをファインに設定すると、回転数は増加する。

 

 

下降

ロールから背面に入って下降に移ると対気速度が上昇し始める。

降下による速度の上昇1

降下することで速度が上昇

そこでふたたびプロペラピッチを調整する。

降下による速度の上昇2

ピッチを大きくして回転数を抑える

対気速度があがるとエンジン回転数もあがるので、プロペラピッチをコースにすることで回転数を下げて2500~2600rpmを保つ。

 

旋回

旋回のためにバンクしてバックプレッシャーを掛けることで対気速度は低下する。

旋回時の推力維持1

旋回により速度が低下

すると回転数が下がるので、推力を維持するためにピッチをコースに調整する。

旋回時の推力維持2

機首が下がって降下するのを防ぐためピッチを調整する

ピッチを調整しないと旋回で予想以上に高度を失ってしまう。

 

 

固定ピッチプロペラ まとめ

速度が変化することでエンジン回転数まで変わってしまうので、プロペラピッチを調整することでエンジンの回転数をパワーバンドから外れないように維持するということのようです。

上昇旋回や下降旋回のときは操作がたいへんそうなので、ピッチを自動調整できるほうがいいですね。

 

  • 可変ピッチプロペラはピッチを飛行中に選択できる
  • ピッチを変えることでエンジン回転数を制御しパワーバンドを保つ
  • 上昇時にはスピードが下がるのでピッチを小さく
  • 降下時にはスピードが上がるのでピッチを大きく
  • 旋回中は速度低下で機首が下がるのを防ぐためピッチで推力を調整する
  • ピッチ制御は無段階調整のものと段階式のものがある

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