The Air Combat Tutorial Libraryの動画を勝手に引用、紹介しながら飛行機と操縦の基礎を学ぶ独習シリーズ。
今回からCEM(Complex Engine Management)第2回はプロペラピッチの概要と固定ピッチプロペラの特性について解説されています。
この記事の目次
プロペラピッチの基礎
プロペラピッチは、プロペラが一回転する間に進む距離。
ブレードアングルは、プロペラの回転方向とブレード(羽根)の角度で、プロペラがどれだけ空気を掻くかを表す。
プロペラピッチを調整することでブレードアングルが変わり、エンジン回転数とプロペラによる推力を制御する。
ファインとコース
プロペラピッチにはファイン(細かい)からコース(粗い)までいろいろな種類がある。
ピッチが小さいファインピッチプロペラは、抵抗が大きく高回転。
ピッチが大きいコースピッチプロペラは、抵抗が小さく低回転。
3タイプのプロペラピッチ
プロペラピッチには以下の3タイプがある。
- Fixed Pitch(固定ピッチプロペラ)
- Variable Pitch(可変ピッチプロペラ)
- Constant Speed(定速プロペラ)
プロペラピッチが一定で変更できないものを固定ピッチプロペラという。
可変ピッチプロペラはピッチ(ブレードアングル)を変更できるもの。定速プロペラはエンジン回転数を制御するものを指す。
この動画では1.の固定ピッチプロペラについて紹介。
固定ピッチプロペラの特性
固定ピッチプロペラはプロペラピッチが一種類しかない(固定)もの。
エンジン回転数はスロットルと対気速度に応じて変化する。
このため固定ピッチプロペラは特定の条件のときのみ最大の効率を発揮する。
ゲーム内で見る固定ピッチプロペラ
ここからは、IL-2シュトルモビクのデモフライトによる解説。
まず、スロットルポジションを一定にして、エンジン回転数と対気速度をコンスタントに保ちながら飛ぶ。
そこからスロットルを絞るとエンジン回転数は上昇し、スロットルを開くとエンジン回転数は下がる。
回転数があがると対気速度は上昇する。
水平飛行中にフルスロットルにすれば回転数と対気速度は安定する。
エンジンの回転数(rpm)は、最高のパフォーマンスを得るために、フライト中ずっと維持しなければならない。
最高のパフォーマンスが得られる狭い領域のことをパワーバンドという。
パワーバンドについては、可変ピッチプロペラの解説動画内でも説明する。
降下による速度上昇と回転数の関係
ここで、フルスロットルから機首を下げて降下すると対気速度があがり、それにつれてエンジン回転数(rpm)も上昇するのがわかる。
速度が上がることによってプロペラに当たる気流が増加し、その力がプロペラをより速く回転させる。その結果エンジン回転数も上昇する。
水平飛行に戻し対気速度が下がるとプロペラに当たる気流が減ることで、エンジン回転数は最適の状態に戻る。
対気速度とスロットル開度によるエンジン回転数に対する影響は、プロペラピッチが固定されている場合にのみ起きる。
対気速度の上昇またはスロットルを開くことでエンジン回転数があがる。
固定プロペラピッチのまとめ
自動車などの経験からスロットル(アクセル)を開けるとエンジン回転数があがるのは感覚的にもわかりますが、固定ピッチプロペラの場合は飛行速度があがることでも回転数があがるわけですね。
ピッチには、ファインとコースの間でいろいろなバリエーションがあるらしきことが書かれています。エンジンの出力や機体の特徴に合わせてプロペラを選択するのでしょうか。