戦術

WW2時代の射撃アプローチ

PeriscopeFilmという動画アーカイブチャンネルから動画を紹介します。

対爆撃機への攻撃を想定して、おもにアプローチの方法を解説しています。

対爆撃機の射撃術

U.S.NAVY AIR COMBAT TRAINING FILM BY WALT DISNEY FIXED GUNNERY APPROACHES 33014

米海軍監修でウォルトディズニーが制作しているようです。

動画のタイトルどおり射撃のために敵機へどうアプローチするかに的を絞った内容です。

対戦闘機戦というよりは、爆撃機や輸送機のように基本的に直線飛行する標的に対するベーシックなアプローチ方法を紹介しています。

アプローチの種類

  • サイドアプローチ(左右からの高度バリエーション)

    • ハイサイド(40°上方)

    • フラットサイド(10°上方)

    • ローサイド(20°下方)

  • オーバーヘッドアプローチ(後方または前方から)

  • ヘッドオンアプローチ(上方から/下方から)

  • スターンアプローチ(上方から/下方から)

動画をひととおり見て、とくに目に付いたところをピックアップしてみます。

  • タイミングと射撃角度、射撃距離が重要

  • ハイサイドアプローチでは敵機下方へ離脱してから12時へ上昇離脱して次の攻撃に備える

  • アングルオフは30°~45°のほうが横からのアプローチより射撃機会が多い

  • サイドアプローチでは同方向に飛行しながら敵機を目視して接近するためにS字型のアプローチを行い、アングルオフを小さくして背後をとる

  • ローサイドアプローチも敵機よりやや上からアプローチを開始するが、いちど機首を下げたあとで下から接近する。

  • ローサイドアプローチでは、S字を描いていったん接近(射撃)したあと、ブレイクアウェイ~リカバリーを繰り返して(全体としては)標的と平行するように飛ぶことで繰り返し攻撃ができる。

  • ローサイドアプローチでは上昇接近時に速度が落ちるのでタイミングが重要。

  • ヘッドオンアプローチは完全に真正面ではなくオフセットする

ガンファイト時代はアプローチが命

第二次大戦中の戦術なのでミサイルはなく、接近してから射撃を繰り返す必要があります。

射撃の機会を増やすためにも、また爆撃機の回転銃座からの被弾を避けるためにもアプローチが非常に重要だったのがよくわかります。

離脱するときも、敵機の後方へ向かったのでは距離が離れすぎて反復攻撃に時間がかかるので基本的に同方向になります。

また、射撃に必要なリードアングルをとるためにはアプローチに入るタイミングが特に大事なので、模型やアニメーションを使って詳しく紹介しています。

ローサイドアプローチでも初期ポジションは敵機よりやや高い位置をとるようですが、アプローチ中の旋回で速度が落ちるのを見越して運動エネルギーを確保するためでしょうか。

特にオーバーヘッドアプローチでは、スプリットSをきれいに描ける必要がありますね。

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